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ちぎれた翼 第一話

さて、いよいよスパコミへの原稿に真面目に取り組まなければならない時期に突入しまして~。
サイトの更新がまた滞りそうな予感なのですが、何もないのも寂しいと思って過去に書いた小説をサルベージしてまいりました(笑)
二年半前ぐらいに書いたものなので、そろそろ知らない方もいらっしゃるんじゃないかな~と思って。
因みに10話まで書いたところで放置というとんでもないものなので、今度こそ完結させられるといいなぁ~という願いも込めております。
・・・とは言うものの、流石に二年半前の文章では見るに絶えなくて、大幅加筆修正(?)してあります。
や、決して今なら文が上手くなった!というワケでは無いのですが、まぁ、二年半前よりはマシかなと・・・多分・・・きっと・・・(;^_^A アセアセ・・・
それでは、手抜き更新で申し訳ありませんが、二年半ぶりの「ちぎれた翼」シリーズをお楽しみください。



静まり返った町の中を、一人の男が歩いていた。
ここアメストリスでは珍しい黒髪に、男性とは思えないような白磁の肌。
切れの長の瞳は髪と同じ漆黒で、闇色の瞳からは何の感情も伺い知ることができない。
筋の通った鼻梁に、シャープな線を書く顎。
恐らく彼が町を歩けば女性と言わず男性さえも振り返ってしまいそうな、計算しつくされたかのような美貌がそこにはあった。
男にしては薄い身体は、長身であるにも関わらず彼を華奢に見せている。
彼が身に纏うのが軍服でなければ、だれも彼を軍人だとは思わないだろう。
アメストリス軍特有の軍服に装備されたスカートをはためかせながら、彼はなんの躊躇もなく半分廃墟と化した町の中を歩いていた。
その彼の足取りが、町の中心部に差し掛かった辺りでピタリと止まる。
「そろそろ出てきたらどうかね?」
立ち止まった男は、正面を見つめたまま誰に向けるでもなく言い放った。
しかし、静まり返った町からは何の反応も返らない。
やれやれ・・・大人しくでできてくれれば、手荒なことはしないと言うのに。
男は小さくため息を落とすと、更に声の音量を上げる。
「隠れても無駄だ。ここにお前たちが隠れているということは、既に調査済みだ。大人しく出てくるなら、こちらだって多少の考慮はしてやらんこともないぞ?」
「・・・・・・・・・一人で乗り込んでくるとは、いい度胸じゃねぇか・・・」
辺りを見回し男の他には人影が無い事を確認したのか、乗り込んできたのはその男一人だと確信して、建物の影に身を潜めていた男が出てくる。
長身で肩幅もある男は、軍人の男と本当に同じ人間なのかと疑いたくなるほどの、頑丈そうな身体をしていた。
「なに。お前たちを片付けるのは、私一人で十分、そう判断したまでだ・・・」
出てきた男の屈強そうな体躯にも怯むことなく、男は薄く笑ったまま応えた。
「ほう、既に囲まれているのにも気がついていたか・・・」
あえて「お前たち」と言った男に、男を包囲する自分の仲間の存在は既に感づかれていると知って、内心で動揺しつつも男は余裕たっぷりに言い放った。
駆け引きで少しでも怯めば、自ら敗北を招くようなもの。
実際数で有利な分、自分たちの勝利は揺るぐはずがないのだ、手の内の一つを読まれたぐらいで慌てる必要は無いはずだった。
しかし男の自信は次の男の言葉に、一瞬にして揺らぐ事になる。
「全く殺気が消せていないからな、これでは自分で居場所を言っているようなものだ」
端正な顔立ちとは裏腹に、戦闘慣れしているらしい男の物言いに微かにいやな予感が男の脳裏を過る。
「どうだ?無駄な怪我をする前に降参してみては?」
圧倒的不利な状況にも関わらず、勝利を確信する優男の姿に男の中で何かが切れた。
「うるせぇ!たとえ居場所が分かったところで、この人数相手にどうやって戦うつもりだ!!」
一瞬過った嫌な予感を振り払い、厳つい体の男が吠えると、それを合図にわらわらと建物の影から男達が現れる。
その数およそ二十と言ったところか。
「やれやれ。テロリストとは、どうしてこう群れたがるのかね・・・」
その人数を目にしても、男は相変わらず余裕の笑みを浮かべるだけだ。
呆れたように肩をすくめる男に、回りを取り囲む男達の怒りが頂点に達する。
「俺たちはお前のような優男にやられるほど柔じゃないぜ?その取り澄ましたツラ歪ませてやるから、覚悟しなッ!!」
典型的な悪者の台詞をはきながら、男たちは一斉に男へと襲い掛かった。
「一応私は忠告したからな?悪く思うなよ」
せっかく穏便にすませてやろうと思ったのに、と呟きながら左手を上げた男は、ダンスでも踊り始めるかのような軽快さで左手を弾いた。
パキン――――――。
かすかな音が、男達の耳に届いたとき。
「ガッ!ウアァァァ!!!」
自分の身に何が起きたかさえ理解できないまま、男達は悲鳴を上げ地面に転がっていた。
皮膚が焼ける痛みは間違いなく火傷と同じ痛みで、男達は自分たちが得体の知れない高熱の何かに襲われたのだと気がつく。
しかし気がついたところで、男たちにはその高熱の正体など皆目見当が付かなかった。
どう記憶を辿ってもこの辺りには火はおろか、火の気さえ無かったはずなのに、一体何処から高熱が生まれるというのだ。
悠然と一人立つ優男は手ぶらで、火器など持っていなかったのはさっき確認したばかりだというのに。
「馬鹿な・・・たった一瞬で・・・・・・」
唯一深手を負わなかったとみえる、最初に姿をみせた男が目の前の光景に呆然と呟く。
そういえば、風の噂で聞いたことがある。
たった一瞬ですべてを焼き払う、おそろしい力を持った国家錬金術師がいると。
街さえも一瞬で焼き払うと言うその噂に、そんな馬鹿なとあの時は大笑いしたものだが・・・。
この光景を見せられてしまっては、伝説の焔の魔人は存在したのだと認めざるを得ない。
「ば・・・化け物・・・・・・だ・・・」
地面に倒れたまま、恐怖に怯えながら別の男が呟く。
その震える声に、今まで笑みを絶やさなかった男が少しだけむっとしたように眉を吊り上げる。
「全く、勝手に抵抗しておいて、やられたとなったら人を化け物扱いとは失礼な」
むぅと膨れる姿は、とても一瞬で男達すべてを倒した人物には見えないが、事実、男には恐ろしい力が備わっていることを身を持って体験してしまった男達に、もはや対抗する気などあろう筈もない。
むしろ火傷ぐらいで済ませてもらえたのならば、安いものだとさえ思っていた。
「さてどうするかね?まだ抵抗するなら、私としてもそれ相応の処置を取らねばならなくなるが?」
うっすらと微笑む顔は、その美貌と相まって悪魔の微笑みよりもなお恐ろしく男達の瞳に映る。
真っ青になりながら己が手にした武器をすて、男達はこれ以上の抵抗はしないとでも言うように両手を上げた。
完全降伏の男達の姿に、勝利を収めた男が満足そうに微笑んだ時だった。
「ふ・・・ぶざけるなぁ!こんなところで捕まってたまるかよッ!!」
今まで呆然と座り込んでいた、唯一深手を負わなかった男が突然自分の腰にさしてあった銃を抜いた。
「たとえてめぇがどんな化け物だろうと、頭をふっとばしちまえばこっちの勝ちだッ!」
そう叫びつつも先ほど植えつけられた恐怖は簡単には拭い去れないのか、男は震える手で上手く照準のあわない銃を男に向けた。
「死ねッ!・・・・・・うあッ!」
しかし男が引き金を引くより早く、別の位置から発射された銃弾が寸分たがわず男の銃を弾く。
「誰だッ!!?」
銃を弾かれ、その振動で痛む手を押さえながら男が視線をむければ、そこには銃を構えたまま不敵な笑みを浮かべる少年の姿があった。
光を弾く金髪を無造作に後頭部で一つに結び上げ、男と同じ軍服を纏った少年はニヤリと笑みを浮かべる。
「油断しすぎだぜ、大佐」
「鋼のか・・・」
「これで一つ貸しな」
鋼のと呼ばれた少年は勝ち誇ったように言いながら、銃をホルスターへと収めると男のもとへと駆け寄った。
「また君の銃の腕は精度を上げたようだね」
「へへッ。何しろホークアイ中尉仕込だからな」
駆け寄った少年に対して男が先ほどの狙撃を褒めれば、先ほどの生意気な言葉は何処へやら少年は嬉しそうに笑った。
男の役に立てたことが嬉しいと全身で語る少年に、うっすらと男の口元に笑みが浮かぶ。
それは先ほどテロリスト達に向けた冷たい微笑みとは対照的な、少年だけに向けられる優しい笑顔。
こんな殺伐とした場所には不釣合いな柔らかな笑みに、思わず少年が見蕩れたとき。
「なんだてめぇはッ!!どっからわいてでやがった!!」
邪魔をされた男が怒り狂ったように叫びだした。
その品性の欠片も無い叫びに嫌そうに眉を顰めた少年は、無言で男の傍へと近寄った。
「うるさいな、あんたの出番はもう終わり。少し黙っててよ」
「ガッ!」
そう言って、少年は容赦なく男の首筋へ手刀を叩き込むと、有無を言わさず沈黙させた。


以下2006年に書いた時の書き込みです。

すみません~(><)話が全然進まなくて。
登場しているのに、エドも大佐も名前が出せないとは・・・。
取り敢えず、どこかへ続く・・・(またこのパターンか)

えーと取り敢えず人物としては・・・。

エド・・・軍人。地位は少佐。ロイとは自他共に認める恋人同士。幼い頃に事故で右手、左足を失い、機械鎧をつけている為「鋼」の銘がついた。

ロイ・・・軍人。地位は大佐。一瞬にして街を消失させるほどの焔を操ることから「焔」の銘がついた。その力は海を越えた大陸に伝わるほど有名。

どれぐらい登場するか未定ですが、アルは人間です。
地位は少尉ぐらい・・・でしょうか。
本来原作では軍人であるあの人は、今回は一般人ですが、まぁ大事な役・・・ということで。
2009
03/30
21:42
小説
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鋼の錬金術師

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プロフィール

中原光希

Author:中原光希
熱しやすく冷めやすい典型的なB型人間。
良くも悪くもマイペース。

同人界には珍しい(?)、攻め様に愛情を傾ける派。
基本16才ぐらいの少年と青年の狭間にいるぐらいのキャラに萌ゆる。
シンフォニアクリアしてない、攻めでもない、少年でもないクラトスさんに何故すっ転んだのか自分でもよくわからないまま愛を叫ぶ日々。
父さんが好きすぎて辛い(笑)

親バカ、子バカ、シスコン、ブラコン大好物。
身内に甘いキャラがとても好み。
CP傾向は年下×年上基本。
年も力も上な受けが、攻めに迫られてわたわたするのがいい(・∀・)

日記への突っ込みお待ちしております。
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