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原稿中・・・

ひとつ屋根の下に贈る5つのお題

3 意外すぎた真実(後)

「・・・うわ・・・。これ全部ロイが作ったのか?」
準備が出来たと呼ばれて、再びリビングへと戻った俺は、テーブルの上に並べられた料理の数々に目を見張った。
小食なロイと違って、人並み以上に食べる俺でも食べきれるかどうかというぐらい所狭しと並べられた料理は、どれをとっても皆美味しそうだ。
よくもまぁ、ありあわせの材料だけでこれだけの料理が作れたものだと、俺は素直に感心してしまう。
「君の口にあうと良いのだが・・・」
ロイは心配そうにそう言うけれど、それが杞憂なのはまず間違いないだろう。
こんなに食欲をそそる匂いをしている料理が不味いわけがない。
「すげぇな、短時間でこんなに作れるなんて・・・」
「そうか?」
「そうだよ!」
事も無げにロイは言うけれど、俺にはこんな短時間でこれだけの種類の料理を作るのは不可能だ。
というか、ここまで手の込んだ料理は俺には作れないと言ったほうが正しいかもしれない。
プロも真っ青な料理を作れるロイを前にして、俺が作ってもいいなんて相手の料理の腕を知らなかったとは言え、無謀もいいところだぜ・・・。
「どれもすげぇうまそうじゃん。まるでホテルで出てくる食事みたいだ」
「随分と大げさだな」
苦笑を浮かべるロイを見ながら席へとついた俺はいただきますの挨拶もそこそこに、早速程よく焼けた肉料理へと手を伸ばす。
「うん。やっぱり美味い」
口にほおばった途端広がる肉汁の絶妙な味に、俺は舌鼓を打つ。
「この肉の味付けとか、焼き加減とか絶妙だよな~。母さんだってここまで上手じゃないかも・・・」
口の中に広がる肉汁は決してしつこいとか油っぽいとか言う訳ではなくて、冗談抜きでいくらでも食べれそうな美味さだ。
「それはいくらなんでも失礼だろう?」
「いやでも、本当に美味しいって!」
「それは良かった」
ロイの料理を褒めながら次々と料理に手を伸ばす俺の姿に、ロイは漸くほっとしたような表情を浮かべる。
こんな美味い料理を作っておいて、何を心配していたんだろう。
「俺が作るって言わなくて正解だったなー。俺にはこんなに手の込んだ料理は出来ねぇもん」
「何を言ってるんだ、次の機会があった時は、君の番だぞ?」
「うげー勘弁してくれよ。こんな豪華な料理作られたら、俺恥ずかしくってロイの前で料理できねぇよ」
「全く・・・。随分と君は人をおだてるのが上手だったのだな」
そう言いながら、ロイはくすくすと穏やかに笑った。
その微笑みはまるで木漏れ日のような、見ているこちらが温かい気持ちになるような、優しい笑顔だった。
うわ・・・コイツはこんな風に笑うことも出来たんだ。
「・・・・・・・・・どうしたんだ?手が止まってるぞ?」
「あ・・・うん・・・」
ロイに言われて俺は自分がロイに見蕩れていたのだと気がついた。
ほけっとフォークを口にくわえたままだった俺は、さぞかし間抜けな姿でロイの瞳に映ったに違いない。
だってこんな不意打ちねぇよな?
ロイは基本的に感情に乏しい人間なんだと、俺はずっと思っていた。
こんな柔らかく笑えるなんて、全然知らなかったんだ。
「どうしたんだ?何か嫌いな物でも入っていたのか・・・?」
ついにナイフもフォークも置いてしまった俺に、ロイが不安そうに問いかけてくる。
「いや、そうじゃなくて・・・。ちょっとびっくりしてさ・・・」
「・・・え?」
訳がわからないと言うように(そりゃそうだろう)、ロイが小さく首を傾げる。
「えっと・・・ロイってそういう風に笑えたんだなって・・・」
「す・・・すまない。どこかおかしかっただろうか?」
「へ?そんなことねぇよ!今みたいな笑顔、俺は凄い好きだぜ。いつもそんな風に笑ってればいいのに」
「そ・・・そうか」
そう言ったきりロイは明後日の方向を向いてしまった。視線をずらせば耳朶まで紅く染まっているのが見えた。
んん?一体何を急に照れて・・・・・・。
そんなロイの様子を見ながら、俺ははたと我に返る。
あれ?俺今ロイに対して、どさくさに紛れて凄いこといわなかったか?
好きだとか、そんな風に笑っていて欲しいとか。
うわーとっさの事とは言え、俺は男相手に何言ってんだー!?
およそ男に言うべきではない言葉の数々に俺が赤くなったり青くなったりしていると、漸くダメージから多少回復したのかロイが顔を挙げた。
「でも・・・、嬉しいよ。君とこんなふうにご飯が食べれて」
「・・・へ?」
ポツリと呟かれた言葉の意味が分からなくて、俺は思わず聞き返してしまった。
一体ロイは何を言っているんだろう?
ロイは多少言いよどんでいたようだが、俺の疑問の視線を受けて意を決したように口を開いた。
「いや・・・私はずっと君に嫌われていると思っていたから、こんなふうに二人きりで食事ができるなんて思っていなくて」
「は?なんで俺があんたを嫌ってる事になってるの?」
そういえばこいつはさっきもそんな事を言っていた。その誤解は一体どこから生まれたのだろう。
「だって・・・。学校では無関係を装うなんて、私との関係を皆に知られたくないからだろう・・・?」
ロイの言葉に俺は驚きを隠せなかった。
だって俺は単にロイのファンに恨まれるのが嫌でそう頼んだだけだったのに。
ロイにそんな誤解をさせてしまっていたなんて。
「あー・・・、ごめんな。それは俺の言い方が悪かったよ。ロイが知ってるかどうかは知らないけど、学校じゃあんたのファンって人間は凄く多いんだ。そんな中で俺がロイと一緒に住んでるなんて言ったら絶対恨まれると思って、それでお願いしただけなんだ」
「そうなのか・・・?」
「ああ、本当に悪かったよ。ちゃんと俺が説明すれば良かったのに言葉が足りなかったせいで、変な誤解与えちまったな」
まさか俺に嫌われているのかもなんて考えて、遠慮してるなんて夢にも思っていなかったんだ。
あっさりと了承してくれたのは、単に俺に興味が無いからだとばかり思っていた。
「良かった。それを聞いて安心したよ」
心からほっとしたようにロイは呟いて、止めてしまった手を動かし食事を再開する。
俺もつられるように食事を再開することにした。せっかくの手料理が冷めたら勿体無いしな。
そうして夕飯が終わるまで俺たちの他愛無い話は続き、俺は腹も気持ちも大満足の夕食を終えたのだった。



せめて片付けぐらいは俺がと、片づけを引き受けた俺は上機嫌で皿を洗っていた。
このまま鼻歌まで歌いだしそうな程、今の俺は機嫌がいい。
母さん達が不在と聞いたときにはどうなることかと思ったけど、結果としてはいなくて良かったかも(ごめんよ、母さん)。
おかけでロイの事を随分知ることが出来た。
物凄く料理がうまいことも、柔らかく笑うことも、二人きりの時間が無ければ気がつく事はなかっただろう。
ありがとう母さん、今日は俺たちに時間をくれて。
これからも少しずつでいいから、あいつの事を知っていけるといいな。
しみじみ母さんがマスタングさんと再婚してくれた幸せをかみ締めながら、俺は楽しい気持ちのまま片づけを続けるのだった。



どうにか、お題3つ目完了です。
お題3つ目長すぎだよー(><)という突っ込みは無しの方向で(笑)
次からはまたさくさくと短い文章にしていく所存(多分)
余談ですが、今回の話を書いてる時に、ナチュラルに「箸が止まってるぞ」とか書いてた自分に大笑いしてしまいました。
一応その辺は直したつもりですが、やっぱり日本人なんだねぇ・・・管理人(笑)
エドが箸持ってるってどうなのよ。
あ、それと一部の方からご質問があったのですが、エドは再婚していても籍はマスタング家(?)に入れてないので、エドワード・エルリックのまんまです。
学校で色々ばれないようにするために、誤魔化したらしいですよ。
やっぱり、エドワード・マスタングって違和感ばりばりですもんねぇ...( = =) トオイメ
というわけで、ここは一つエドワード・エルリックのまんまでお願いいたします。
2009
03/01
23:03
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鋼の錬金術師

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プロフィール

中原光希

Author:中原光希
熱しやすく冷めやすい典型的なB型人間。
良くも悪くもマイペース。

同人界には珍しい(?)、攻め様に愛情を傾ける派。
基本16才ぐらいの少年と青年の狭間にいるぐらいのキャラに萌ゆる。
シンフォニアクリアしてない、攻めでもない、少年でもないクラトスさんに何故すっ転んだのか自分でもよくわからないまま愛を叫ぶ日々。
父さんが好きすぎて辛い(笑)

親バカ、子バカ、シスコン、ブラコン大好物。
身内に甘いキャラがとても好み。
CP傾向は年下×年上基本。
年も力も上な受けが、攻めに迫られてわたわたするのがいい(・∀・)

日記への突っ込みお待ちしております。
誹謗中傷はNGですよ!

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