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行く年来る年

今年も皆様には大変お世話になりました。
今年も色々大変な事は多かったですけど、どうにか皆様のおかげで無事年を越すことが出来そうです(笑)
因みに。
管理人は今年も一ノ瀬さんとアルトさんと共に年越しです。
アルトさんが微妙(?)に体調崩しているので、あまり無茶な事は出来ませんが(;^_^A アセアセ・・・
でも今年はキンキコン関西に行っちゃったし、お正月に特にする事もないんですけどね。
ここしばらく、正月と言えばドームで光ちゃんの誕生日祝っていた身としては、寂しいことこの上無いです。
今年もハッピーバースデー歌う気満々だった、この気持ちは何処に持っていけば・・・ッ!(><)
とと、まぁそんな管理人の愚痴はさて置き。
今年も残り僅かになったところで、今年最後の更新を置いていきます。
友だちと話ながら書いていたので微妙におかしな話になってしまっていたらすみませんが(-_-;)
今年最後にもう一回更新したかったという心意気をかっていただければ、これ幸い。

SIDE:R

世界の嘆きが聞こえる。
どんなに耳を塞いでいても、目を閉じていても、私を責め立てる声は止む事がない。
それはそうだろう。
世界を終りへと導いた原因は私なのだから。
私には宿命とも呼べる為すべき事があったのに、私はそれを放棄した。
命が惜しくなった訳では勿論ない。
生まれたときからこの命は神のものと言われ続けてきたのに、何を今更惜しむことがあろう。
ただ、惹かれてしまったのだ。
突然私の前に現れた、黄金の太陽に。
ただそれだけの理由で、私はこの世界を見殺しにしたのだ。

パチッと暖炉の炎が爆ぜる。
その炎が奏でた微かな音によって、微睡の中にいた私の意識が覚醒する。
寝起き特有のはっきりとしない意識の中、一番最初に感じたのは肩に触れる優しい温もりだった。
心地よいその温度は、たった一人だけが与えてくれるもの。
優しく私の頭を撫でてくれる手は、何処までも優しい。
「いいよ、もう少し寝てろよ」
私の眠りを妨げないよう気を使ってくれているのだろうか、彼はそう小声で囁きながら私を更に抱きしめてくれた。
そうして私の身体が、ふわりと温かいもので覆われる。
どうやら二人で包まっていた毛布を、彼がかけなおしてくれたらしい。
そっと包まれる感覚に、心の中に幸せが満ちる。
優しい声に導かれるように、私はゆっくりと瞼を上げた。
目を開けた途端に視界に映るのは、目の前いっぱいに広がった黄金。
薄闇の中でも少しも損なわれることのない、眩い輝きだった。
「・・・・・・・・エド?」
はっきりとその光の正体の名を呼んだつもりだったのに、意図せずその声はかすれてしまった。
まるで寝起きそのものの声に酷く恥ずかしさが募るけれども、エドワードは何がそれ程に嬉しいのか、とても嬉しそうに笑ってくれたからまぁいいかと思うことにする。
「悪ぃ・・・起しちまったか?」
気遣わしげなその言葉に、何を馬鹿な事をと思う。
謝るべきは、ずっと寄りかかっていた私の方ではないか。
「いや君のせいじゃないよ。私のほうこそすまない、重かったのではないかね?」
仮にも成人男子一人が寄りかかっていたのだ、かなりの負担になってしまったのではないだろうか。
しかしエドワードはそんな私の言葉に小さく首を振って、いきなり私の身体を抱き上げた。
「んなわけねーじゃん。こんな羽みたいに軽い身体してるくせに」
「うわっ!」
エドワードの行動に思わず声が漏れた。
まさかこんなに軽々と抱き上げられるとは夢にも思わないじゃないか。
驚くなという方が無理だ。
「い・・・いきなり何をするのだね!」
本当に驚いたから、本気で怒ったのにエドワードは全く意に介してくれない。
それどころか事もあろうに、抱き上げた私の身体をそのまま自分の膝の上に下ろしてしまった。
何をするんだと暴れようと思ったけれども、エドワードが余りに楽しそう笑っているものだから、つい毒気を抜かれてしまってまぁいいかと全身の力を抜いた。
だって、やっぱりこの腕の中は何よりも心地が良いから。
私の貧弱な身体とはまるで正反対の、綺麗に筋肉のついた力強い腕に抱きしめられると、何もかもがどうでも良くなってしまう。
服を通して伝わってくるエドワードの体温が心地よくて、もっと感じたくてきゅっとその身体に抱きつくと、エドワードは更に強く私の事を抱きしめてくれる。
力強い腕の中その心地よさに酔っていると、不意にエドワードが口を開いた。
「ロイ・・・また痩せた?」
先ほど私を抱き上げた時に感じたのか、それとも抱きしめた時に感じたのか。
その鋭い指摘に私は微かに息を呑む。
ここしばらく体調は安定しているけれども、それでも身体が弱っていくのは私の意志ではどうにもならない事だった。
でも、そんな事エドワードは知らなくていい。
神殿を出たときから、こうなる事は百も承知だったのだから。
神殿の澄んだ空気無くしては私は生きられないと知っていながら、それでも私はエドワードの手を取った。
まぁ、ここまで衰弱が激しいのは予想外だったけれども。
外界の空気は、私が想像していた以上に私の身体を蝕んでいる。
だけどそれを知らせる気はさらさら無い。
私のことなんかで、エドワードに心配をかけたく無かった。
「・・・そんな事はないよ」
ゆるく首を振りながら答えたが、果たしてエドワードが信じてくれたかどうか・・・。
微かに眉を眇めるエドワードの気を逸らすように、私はエドワードの身体に手を這わせる。
「君だって少し痩せたんじゃないのか?」
「んなわけねーじゃん。俺はここの所身体を鍛えるのをサボってるから、筋力が落ちただけだよ」
「そうだね。城にいたころ毎日君は身体を鍛えていたらしいしね・・・」
「だって他にすることもなかったし。毎日毎日くだらない書類の決裁ばかりで、息が詰まるかと思った」
そう言うエドワードは本当に嫌そうに、顔を顰めてみせたけれども。
だけどそれが本心でない事は知っていた。
エドワードは本当は誰よりも国民の事を愛し、慈しんできたのだから。
「・・・仕方ないだろう?それが国を治める者・・・王としての勤めなんだから・・・」
そうエドワードを宥めながら、私の胸はどうしようもない程に痛んだ。
そうだ、本来ならばエドワードは私なんかと共にいるべき人間じゃない。
若いながらも人々を惹きつける絶大なカリスマと、その類まれなる頭脳で人々を導く存在だったのに。
そこから引き摺り下ろしたのは、他でもないこの私なのだ・・・。
私は神に仕える神官と言う身でありながら、私はなんと罪深い事をしてしまったのだろう。
「・・・・・・・・本当は君はこんな所にいるべき人間じゃないのに・・・」
堂々とした姿で人々の頂点に立つ人間。それがエドワードの本来の姿。
人々の信頼を受け正しい政治を行う君は、後世まで語り継がれるであろう立派な王になれたはずだった。
しかし、その輝かしい未来は私のせいで失われてしまった。
すまない・・・と、気がつけば私はそう呟いていた。
何度言っても言い足りはしないけれど、口にせずにはいられなかった。
「ロイ・・・。俺は自分の意志でここに居ると何度言ったら分かるんだ?」
決して私一人のせいでは無いのだとエドワードは言い聞かせるようにいうけれども、でも・・・。
これが私の罪でなくて誰の罪だと言うのだ?
本当に大罪を犯したと思っているのならば、今すぐにでもこの命を絶って神々に詫びればいいのだ。
だけど私は罪を償うことはせず、いまもこうして生きている。
この私を包む腕から離れたくなくて。
私を見つめる黄金の瞳をもっと見ていたくて。
少しでもエドワードと長く居たくて、これほど弱った身体でまだ未練がましく生にしがみついていのだ。
なんて醜く、歪んだ心。
自分の罪の重さに慄く私を宥めるようにエドワードが私の額に口付けを落としてくれる。
じんわりと広がるそのぬくもりに、私の瞳からは意識せず涙が溢れた。
「でも・・・私は・・・ッ」
エドワードに愛してもらえるような価値のある人間じゃないのに。
本当に不思議なんだ、どうしてエドワードみたいな人間が私を選んでくれたのか。
「いいんだよ。あそこにいれば俺はロイを殺さなければならなかった。そんな事できるはずがないだろう?」
優しいエドワードの声が私の鼓膜を震わせる。
何故、何故、エドワードはこんなにも私に優しいのだろう。
私は生まれたときから、神の贄になるべくして育てられてきた。
いつか贄として命を落とすときにこの世に未練が残らぬよう、必要以上に情をかける者などいなかった。
私はずっと孤独だったけれど、それを寂しいとか、辛いとか思ったことさえなかったのに。
この命一つでこの国の未来が約束されるなら、なんて素晴らしいことだろうとさえ思っていたのに。
エドワードの言葉はこれほどたやすく、私の感情を狂わせてしまう。
堰を切ったよう溢れ出す涙を、エドワードが優しく唇で拭ってくれる。
無言で抱きしめてくれる腕も、あやす様に優しく頭を撫でてくれる手も限りなく優しくて、私は幸福と言う名の檻に捕らわれる。
ただ死ぬためだけに生きていた私にとって、エドワードは最初で最後に与えられた幸福だった。



初めてエドワードに会ったのは、いつものように大聖堂で行われていた祈りの儀式の最中だった。
いつものように神への祈りを捧げていた私は、目を閉じていても感じる強い視線に目を開けた。
じっと私を凝視していたのは、今まで見たことも無い、綺麗な宝石のような金色の瞳だった。
射抜くように見つめてくる瞳に、何か私は失敗でもしたのだろうか?と思ったが、どんなに思い返しても慣れた祈りの儀式で失敗することなど考えられなくて。
儀式が終わるまでずっと私の事を見つめていた金色の瞳は、私の中で強烈な印象として残った。
それからというもの、教会で祈りの儀式が行われる度に彼の姿を見るようになった。
いつからだろう。彼の瞳に見つめらると、私の鼓動が高鳴るようになったのは。
琥珀の瞳が私を見つめていてくれる、ただそれだけで幸せを感じるようになったのは。
ただの一度も会話をした事もないのに、気がついた時には私は彼に恋をしていたのだ。
だけど。
そんな幸せの日々も長くは続く事は無かった。
何の前触れもなく、突然神官長から私は間もなく神への儀式が決行される事を聞かされた。
ああ。これであの美しい琥珀の瞳を見ることもできなくなるのかと思ったけれど。
自分の命があと僅かだと聞かされた動揺は、不思議な程なかった。
運命を受け入れ素直に頷いた私に、神官長は自分の命を捧げる相手を知るべきではないかと、王の肖像画がかけられている部屋へと私を導いてくれた。
そうして、初めて通された神官長だけが祈りを捧げる事を許された部屋で、私はこの国を治める王の肖像画を見る事ができた。
『エドワード・エルリック』
その名と共に描かれていたのは、見間違えるはずもない私が恋をしていた相手で。
私は漸く自分がとんでもなく高貴な相手に恋をしていた事に気がつき、愕然としたのだ。

「ロイの名前を聞かされた瞬間俺は自分の運命を呪ったよ。何で俺は王なんだろう、何でよりにもよって選ばれたのがロイなんだろうと」
この世でたった一人の愛しい人なのに。
私を抱きしめながら、ぽつりと呟かれた言葉に私の心が踊る。
私にとってもエドワードはただ一人の愛しい人。
その相手に真摯な愛の言葉を囁かれて喜ばない人間などいるはずがない。
この世のすべてと引き換えに、愛する人を選んだ私たちを人々は決して許してはくれないだろうけれど。
「だから俺はロイを浚ったんだ。儀式を放棄すればどんな事になるかなんて、誰よりも知っていたのに、俺はロイを選んだ・・・」
「エド・・・」
それは決して君一人の罪ではない。
いや、むしろそれは私の罪。
神々の怒りに触れればどうなるか、誰よりも知っていたのに、私は差し出されたエドワードの手を取ってしまった。
闇に紛れて君が私の前に現れた時に、どれほど私の心が震えたかを君は知らない。
「酷い王様だよな、国民全部を見殺しにしてでも、自分の幸せを俺はとっちまった・・・」
本当に断罪されるべきは私の方なのに、そんな辛そうな顔をしないでほしい。
「・・・・・・」
なんと声をかけていいか分からない私に、エドワードの口付けが落ちてくる。
優しく触れてくる唇にうっとりと私は目を閉じる。
「愛しているよ。ロイ」
真摯に呟かれる言葉に私は零れそうになる涙を必死に耐える。
こんな幸せな時間が長く続く事は無いとわかっている。
だけどもう少し、もう少しだけエドワードと一緒に居させてほしい。
何に祈ればいいかもわからないまま、私は必死にそう願っていた。
もうこの命が長くない事はわかっているけれど、まだこの温もりを感じていたい。
口付けを何回も繰り返しながら、エドワードの大きな手が私の身に纏うローブを脱がせていく。
肌をなぞる指に、すでに抱かれる事に慣れた体は無意識に腰が揺れてしまう。
「ん・・・っあ・・・エ・・・エド・・・ッ」
自分の声とは思えないような甘い声は恥ずかしいけれども、エドワードが満足そうに笑ってくれるから直ぐにどうでも良くなってしまう。
「ロイ・・・ロイ・・・好きだ、誰よりも、何よりも・・・」
必死の告白に胸が詰まる。
例え狂気沙汰と皆に責められようとも、この気持に嘘はつけない。
「エドワード・・・」
私もと呟いた言葉は、彼に届いただろうか。
私だって誰よりも君の事を愛している。
優しく毛布の上に寝かせてくれる腕に逆らうことなく横になった私の体に、エドワードの逞しい身体が覆いかぶさってくる。
こうして求められる事に限りない喜びを感じながら、私は身を委ねるように全身の力を抜いた。



私は大罪を犯した。
眩しい太陽を引きずり下ろし、世界に終りをもたらしてしまった。
きっと未来永劫私の魂は赦される事はないだろう。
でも・・・。
もしも許されるのならば、この愛しい太陽だけは光の世界に戻ってほしかった。
彼に人々に蔑まれるような生き方は似合わないから。
愛しているからこそ生きていて欲しいと願う事は、裏切りなのだろうか。
・・・もうすぐここでの生活も終わる。
それは予感ではなく確信。
確実に聞こえてくる破滅の足音から逃げるように、私はゆっくりと目を閉じた。



2008
12/31
22:36
小説
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鋼の錬金術師

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プロフィール

中原光希

Author:中原光希
熱しやすく冷めやすい典型的なB型人間。
良くも悪くもマイペース。

同人界には珍しい(?)、攻め様に愛情を傾ける派。
基本16才ぐらいの少年と青年の狭間にいるぐらいのキャラに萌ゆる。
シンフォニアクリアしてない、攻めでもない、少年でもないクラトスさんに何故すっ転んだのか自分でもよくわからないまま愛を叫ぶ日々。
父さんが好きすぎて辛い(笑)

親バカ、子バカ、シスコン、ブラコン大好物。
身内に甘いキャラがとても好み。
CP傾向は年下×年上基本。
年も力も上な受けが、攻めに迫られてわたわたするのがいい(・∀・)

日記への突っ込みお待ちしております。
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